食洗機は「汚れがきちんと取れないから予洗いが必要」といった印象をもたれがちですが、実際は手洗いよりも格段に汚れを落とします。こびりついた焦げや年季の入った汚れにはさすがに予洗いが必要なものの、いつまでもぬるついて手洗いではなかなか落ちにくい油汚れには、特に強い洗浄力を発揮します。予洗いでも時間と労力をかければきれいになりますが、食洗機の場合は食器を並べるだけの10分程度の前準備だけで済みます。また、シンクが狭くて洗うのが手間となってしまうフライパンのような大きなもの、ザルや泡立て器のような手洗いで落としにくかった細かい汚れもきれいに洗えます。
食洗機は高温で洗浄し、一気に乾燥にかけるので、除菌・消臭効果が上がります。手洗いで丁寧に洗っているつもりでも、手そのものに雑菌が付着していることで衛生面が低下していることもあります。特に小さなお子様がいるご家庭では除菌効果が期待でき衛生的です。
手洗いにかける時間が他の用事に時間を当てられるようになり、時間と労力が軽減されます。特に共働きのご夫婦や小さなお子様のいる忙しいご家庭には、精神的にゆとりを持つこともできます。冬場の手洗いによる手荒れを防ぐこともストレスから解放される1つです。
機械ですので作動音や洗浄時の音が気になる方もいらっしゃるでしょう。キッチンとリビングが連なっている間取りのご家庭ではテレビの音が、また寝静まった夜に食洗機が作動して気になってしまうこともあります。しかし最近の食洗機はタイマー機能が付いている機種がありますし、静音性も高く、食洗機がうるさいといったことは過去の話になりつつあります。
一般的な食洗機は洗浄・乾燥に1時間近くかかる場合が多いです。しかしその1時間の間に別の家事が並行してできることを考えると、それほど苦痛と感じる方も少ない様子です。
ビルトイン型食洗機は、キッチンカウンターの下やシンクの下などのキャビネット部分の扉を外して設置します。持ち家にお住まいでワークトップなどの作業スペースを確保したい場合に向いています。人数が多めのご家庭では食器の数が増えるので、一度にたくさんの食器が洗えたり、深さのあるタイプの食洗機では大きな調理用具が洗えます。洗浄力や耐久性があり、洗浄時の振動がキッチンカウンターに伝わりにくい静音性といった機能性の高さも特徴です。価格は工事費込みで約9万円から必要になると考えておきましょう。
据え置き型食洗機は、シンクの上やキッチンカウンターに設置するため、スペースの確保が必要です。賃貸で暮らしている、出産などで家族構成が変わる場合は、大きめの食洗機に買い替えることを想定しておき、広めのスペースを確保すると良いです。キッチンに立った状態で食器をセットするので体を屈ませることがなく楽な体勢で利用できますが、向きや置き方によって入れ方を工夫しないといけない場合があります。また、キッチンの天板に洗浄時の振動が伝わるので音が気になってしまうこともあるようです。価格は、サイズや性能によって違いはありますが、工事費込みで約3万円からが相場です。
ビルトイン型と据え置き型について特徴をご紹介してきましたが、将来のことも含め、住まいの家庭環境を考慮することでどちらのタイプにするのかを決められます。それぞれのタイプにおいてどんな人に向いているのかを基準に、比較表を用意しましたので優先順位を念頭におきつつ考えてみてください。
設置タイプ | 据え置き型 | ビルトイン型 |
---|---|---|
お住いタイプ | 賃貸向き | 持ち家・分譲向き |
使用頻度 | こまめに洗っても平気 | まとめて洗いたい |
動作音 | 気にしない | 気になる |
見ため | こだわらない | きれいなほうが良い |
工事 | 分岐水栓設置 | 簡単なリフォーム |
価格目安 | 約3万円~ | 約9万円~ |